私は仕事柄、企業の幹部の方と
お話しする機会がしばしばあります。
そこでよく出てくるのが、
「研修は入れてるんですけど、
問題は次々に起こってくるんですよね」
といった言葉。
そんな話を聴いたとき、私は、
「研修を入れる前と後に、
受講者が学びを技術として活かす戦略は
立てていますか?」
と質問します。
すると多くの方がやっていないと言われます。
今はコーチングに限らず、
様々なビジネスフレームがあふれています。
アサーション、メンタリング、
アンガーマネジメント、
ロジカルシンキング、PDCA……。
ひとつひとつはとても素晴らしいものですし、
これらの研修を受けたときは、
誰しもモチベーションが上がるものです。
ただ、これらの研修を受けたところで、
即、部下指導が
うまくできるようになるかといったら、
そんなことはありません。
逆に、こういった技術を学んだがゆえに、
部下との関係性が
ギクシャクしたという話も聞きます。
本でも、一度読んだだけで、
読んだ内容を実践できるようになる人は、
いないですよね。
インプットとアウトプットは、違うんです。
あなたの会社は、
インプットの機会さえ与えれば
後は職場で使えるはずだという思い込みで、
研修機会を設けていないですか?
インプットしたものを
効果的に使えるようにするのは、
その人の「在り方」。
例えば、コーチングなら、
何のために仕事をしているのか、
お客様にとってどんなチームであるのか、
大切にしなければいけないことは何なのか、
自分はどんな存在でいたいのか、
こういった問いに対して、
答えを出す為にコーチングを使うわけです。
この在り方があって、
初めてコーチングと言う手段は、
効果を発揮します。
ただ、この在り方を
どれだけの人が常に意識して
仕事をしているでしょうか。
日々、多くの目の前の仕事を
こなさなければならないビジネスマンだと、
在り方も忘れがちです。
研修受講前には、
社員としての在り方を考え、
言語化させる習慣をつけることを
おすすめします。
特に、自ら希望して受ける研修ならまだしも、
会社が用意してくれた研修なら、
なおのこと必要ですね。
研修を受講するということは、
新たな投資です。
さらにこの投資を、
どう回収するかについては、
また別途書きたいと思います。
あなたも研修を受ける前に、
自分の在り方を考えてみませんか?