ある日の出来事です。
駅前のカフェのあるパン屋さんで、
美味しいパンと珈琲を楽しんでいたところ、
隣のテーブルに
制服を着た小学1年生くらいの女の子と、
お母さんがやってきました。

どうやら三者面談の帰りのようです。
テストを見ながらお母さんは、
ガミガミと女の子に言っています。

「なんでこんなところ間違えてんの?」
「何のため塾行かせてんの?」
「なんで一回言ったことができないの?」
「言うこと聞かないからこうなるのよ!」

女の子はその前で身体を固くしたまま、
恨めしそうな表情でお母さんを見ています。

そのうちお母さんは、机をバンバン叩き出し、
ますます声を荒げました。
「なんで、これもあれもこうなってんのよ!」
「おかしいじゃない!
私あなたにちゃんと言ったよね!」

女の子は涙を懸命にこらえています。

次の瞬間、お母さんは、
バシッ!と女の子を平手打ちしました。

私はそれまで、親子の間のことだから、
何か前提があるのかもしれないしと、
割って入るのをためらっていましたが、
ここまでくると我慢ならず、
「お母さん、いい加減にしなさいよ!」
と言ってしまいました。

「お母さんの思った通り、言った通りなんて、
小さい子どもが
100%できるわけがないじゃないですか。
お子さんは悪くないですよ。
あなたの腹立たしさをお子さんにぶつけて、
何か得るものはあるんですか?」

お母さんは、しばらく私を黙って睨んだ後、
女の子に対しての接し方は
トーンダウンしてくれました。

お母さんは、
自分の思った通りにやってくれない娘に、
イライラしたのでしょう。

でも、イライラをぶつけたところで、
子どもは大人になってから、
それを無意識にまねするようになるだけです。

娘のできていないところに焦点がいって、
自分が今、どんな状態なのか自覚がないから、
こうなってしまうのですね。
感情に振り回されている状態です。

これって、会社でキレる上司と同じ。
期待を裏切られたと思うのでしょう。

娘さんのことを思うのなら、
これからどうやっていけばいいか
一緒に考えてあげればいいのに、と、
第三者は思います。

私が声を出して割って入ったことで、
お母さんは、
自分が怒って取り乱していることに気が付き、
トーンダウンしました。

家庭ではお父さんか誰かが、
彼女にフィードバックをくれる役割を
してくれているといいんだけど、と思います。

自分と向き合う意識が低いと、
何か自分に不都合なことが起こったときに、
相手や環境のせいにしてしまいます。

日頃から、自分と向き合っている、
分かりやすく言うと、
自分の感情を意識していると、
感情に振り回されることはなくなります。

自分と向き合うとはどういうことか?

それは、「こんな自分でありたい」という
自分自身の在り方の基準を持つこと。

そしてその基準を維持するためには、
どんな気持ちを持っていればいいか、
自覚しておくこと。

何か出来事があるたびに
そこに照らし合わせて、
自分をコントロールすること。
これで冷静さが保てますね。

その上で、ここからどうなったらいいかを、
考えるといいでしょう。

お母さんも、娘にキレている自分自身は
好きではないはずです。

娘の前ではどんな母親でいたいのか?
これを
三者面談で先生が引き出してあげられると、
虐待など親子間のトラブルが
未然に防げることも多くなるでしょう。

コーチングができる先生を育成するのが、
心も豊かな日本をつくるには必要だなあと、
改めて思いました。

もしかしたら、キレる上司に
あなたもなることがあるかもしれません。

その時は、そもそも自分は
どんな上司でありたいのだろうか?
どんなリーダーでいたいのだろうか?
と、考え直すチャンスです。

親の姿を見て子どもは育ちます。
仕事も同じ。
上司の姿を見て部下は育ちます。

あなたはどんな親、上司でありたいですか?

 
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