今日は、
以前私のセッションを受けられた方の
ケースを紹介します。
とても優秀な方で、
今は会社の人事部門の
責任者をしておられます。
最初にお会いした時の印象は、
頭が良くて仕事もできる、
でも人への愛情もしっかり持っている
理想的な女性、という感じでした。
でも、本人は「そんなことはない」と、
本気で思っていたんです。
思い込んでいたんですね。
人からせっかく褒められても、
そのたびに
「いや本当はもっと頑張れるのに、
頑張らないといけないのに、
私はやっていないから」
と、自分自身を責めてしまう言葉が
対話の中に何度も出てきます。
目の前のことには常に全力投球。
それでも、足りない、足りない、
と思うことで、自分を奮い立たせている。
どこか無理をしているように
私には見えました。
なぜそうなるのでしょうか?
話を聴いていくうちに、
彼女のお父さんが
大きな影響を与えていたことがわかりました。
娘に対し、非常に厳格だったお父さん。
彼女はそんなお父さんに距離感を感じ、
昔から心を開いての話が、
なかなかできなかったそうなのです。
けれど、本当は
彼女はお父さんのことが大好きでした。
お父さんに認められたいという
願望が心の中にあり、
彼女は目の前に起こる現実を、
厳しいお父さんという
意識のフィルターを通して
見てしまっていたんですね。
そのために彼女は、子どもの頃から
自分に厳しくなっていたのです。
自分の心を縛り、
いつもどこか不安にさせていたものに
気が付いた彼女は、
私との何回かのセッションを通して、
その後お父さんとの距離を縮め、
いろんな話ができる関係になりました。
そして、
お父さんの持っていた娘への大きな愛情が、
彼女への厳しい態度になっていたことを
理解できたのです。
相互の理解が深まり、
お父さんが本来持っていらした優しさを、
感じとれるようになるにつれ、
彼女はそれまでの
「自分を責める思考」がなくなり、
「愛情を与えること」が、
以前にも増して自然な行動として
外へ現れるようになってきました。
これは、お父さんへの理解が深まり、
お父さんが厳しさの裏で
大切に考えていたものに触れることが
できたからだと考えられます。
そして、
お父さんのことを「大切な人」と
彼女が思っていたからこその変化です。
自分の信じていたことが変わると、
本人が気づかないうちに行動も変化します。
他人からの評価やフィードバックにも
素直に感謝できるようになって、
魅力がさらに大きく花開いてきました。
そして今、
彼女は新しい職場・仕事への
チャレンジから1年を経て、
さらに上の次元に行こうとされています。
自分を縛っていたものから解放され、
自分が満たされる行動を
プランできるようになれたので、
幸せを実感しながら前に進まれています。
このように幸せを実感しながら
仕事をしている人は、
後進から見ると間違いなく
「あこがれの人」となるでしょう。
自分の大切にしたいことを、
目の前の現実の中で大切にする。
これこそがワークライフバランスの、
本当の姿ではないかと私は思います。
そして、
そんな姿に携われる私自身も、
人間の可能性の深さを学び、
幸せを頂いております。
ありがたいですね。
あなたも、知らず知らずのうちに
自分を苦しめてはいませんか?