最近やることが多く、
少し詰め込みすぎかなと思うことがあります。
こんな時は、自己理解を深めるチャンス。
一つ一つのタスクの目的を改めて確認し、
そこに紐づく感情を想起すると、
「詰め込みすぎ」は「成長のチャンス」と
意味づけが変わりました。
意味づけを変えるチャンスをくれた
たくさんのタスクに感謝して、
「さあ、仕事!」って感じになれます。
セルフコーチングのおかげですね。
先日、人事のリーダー職をされているAさんから、
相談を受けました。
Aさんは、部下が数名いるチームを任されています。
チームを良くしたいという
熱い気持ちを持っていらっしゃいますが、
メンバーが思うように
乗ってきてくれないことが、
ちょっとした悩みのタネでした。
Aさんは、チームを活性化させるためには
情報共有が何より大切だと考え、
それまでやっていなかった
情報共有のための
ミーティングを毎週始めました。
やってみると、
意外と反応も良かったようです。
しかし1か月後、
Aさんは他のチームの支援のために、
しばらく自分のチームから
離れることになりました。
自分のチームのメンバーである部下に、
この週一回のミーティングは続けようと
伝えたのですが、
2週間ほどして戻ってきてみると、
言っておいたはずの
ミーティングが実施されていません。
せっかく良いことを始めたのに、
やらなかった部下たちが残念でならない、
なんでやらないんだろうと、
Aさんは私に打ち明けてくれました。
それから私たちは、
以下のような会話をしました。
私「何のためにミーティングを始めたのですか?」
Aさん「情報共有のためにです」
私「情報共有出来たらどうなるんですか?」
Aさん「お互いの仕事の内容が理解しあえるから、
何かあったときにでも助け合えるし、チーム全体の風通しもよくなります」
私「助け合えるようになって、風通しがよくなるとどうなりますか?」
Aさん「安心して働けるようになります」
私「安心して働けるようになると、どうなりますか?」
Aさん「職場が穏やかな雰囲気になり、楽しくなります」
私「そうなるとどうなりますか?」
Aさん「メンバーも仕事に来るのが楽しくなりますね」
Aさんは、ミーティングについて
ここまでのイメージを頭に描いていながら、
メンバーには、「情報共有のため」としか
伝えていなかったのです。
私「メンバーが職場に来るのが楽しくなることを、
どう思うか聞いてみたらどうなりますか?」
Aさん「あー、なるほど! それならやりたいって思ってくれますね」
Aさん、ここで気が付きました。
情報共有の先にあるもののイメージを、
させてあげられていなかったことを。
私はさらにAさんに対して、
メンバーにその提案をどう思うか考えさせて、
言葉にして発してもらってみては? と
提案しました。
するとAさんは確信を持ったようで、
「すぐ会社に行ってやってきます!」
と元気よく出ていかれました。
こうした類のミーティングは、
すぐに生産性が
上がるようなものではありません。
やらなくても、
体制に大きな影響を及ぼすことを
イメージしにくいものです。
ですから、
上司からの命令なら仕方なくやっても、
上司がいないと、
面倒になってしまったりするものです。
それでも「やりたい」「やらねば」と
思ってもらうためには、
やった先に得られる目的を
腑に落ちるよう伝えることが大切です。
「目的が腑に落ちる」というのは
メンバーが目的に共感できるということです。
さらに、
メンバーがその目的について自ら考え、
その考えを言葉にして発することで、
自分でやろうという気持ちも強くなります。
ここまで、持ってくることができれば、
メンバーが自主的にやってくれる可能性は
かなり上がりますね。
特に忙しいビジネスマンは、
「やること」ばかり伝え、
「何のために」を忘れがちです。
「何のために」を共有する機会は、
定期的に持った方がいいでしょう。
何かを始めるときだけでなく
定期的に持つことが大切です。
なぜなら、
強い痛みを感じられないことについては、
人はすぐ忘れるからです。
Aさんにも、今日だけでなく、
毎回言葉にするといいですよと
お伝えしました。
あなたは、新しい取り組みを定着させたい時に、
伝えるだけになっていませんか?