今日は、女性の部下ばかりを抱えている
ITマネージャーのYさん(男性)の
お悩みをご紹介しましょう。

Yさんの会社は、
社員が成長することを業務目標に盛り込み、
それを人事評価に使い始めました。

そこで、部下の目標設定に
Yさんも取り組んでいます。

ところが、
なかなか目標設定のできない部下が複数いて
悩んでいました。

例えば、
仕事への取り組み方はまじめなのに、
どうなりたいのかが見えないスタッフ。

Yさんが「今後どうしたいんですか?」
と聞いても
「特にないんですよね」と答えます。

会社が成長目標を設定するよう
求めていることは、
部下も知っており、
本人も目標がないことを気にはしています。

そしてもう一人、
子育て中のママさんデザイナー。

子育てに追われているので、
仕事の目標設定をするほどの余裕はないし、
今の技術を維持はするものの
高い技術を追求していくほどでもないとか。

Yさんが言うには、
部下たちも自分も業務量が多く忙しい、と。

余裕のある部下は目標設定できるけれど、
余裕のない部下は難しいのではないか。
部下たちの言う気持ちもわかる。
でも会社は、
成長しない人は評価しないと言っている。

こんなところです。

あなたがYさんだったらどうしますか?

私が話を聴いていて気づいたのは、
Yさん自身がどうありたいのか言葉が
でてこないことでした。

そこで
「Yさんはマネージャーとして、
どんな成長目標を掲げてるんですか?」
と聞くと、
「今の業務をこなすのが先なので、
掲げてないですね」
とのこと。

そこで、以下のように順に尋ねてみました。

部下にとって
どんなマネージャーでいたいのか?

自分自身は部下のマネジメントを通して、
どんなマネジメントスキルが
身に付いたらいいのか?

部下のマネジメントを通して、
何を大切にできたらいいのか?

部下に、どんな環境を作ってあげたいのか?

また、Yさんの言っていた、
「時間がない、目の前の業務が先」
ということについては、
自分の在りたい姿を実現させるために
必要だと思われる時間を訊き出します。

Yさん「情報を処理して部下に割り振って、
時間を新たに捻出しないといけないので、
かなりの時間がいります」
私「かなりってどれくらい?」
Yさん「1日4時間くらいですね」
私「それって本当に4時間かかりますか?」
Yさん「慣れてくれば1時間くらいですか」
私「Yさんのやろうとしていることを、
すべての部下と共有して、
協力を呼び掛けたりしたらどうですか?」
Yさん「もっとはやくできますね」

あとは、具体的に
計画を立ててもらうだけです。

会社の求めを自分ごとにできる部下は、
会社の方針に沿って目標設定できます。

でも、自分ごとになかなかできない部下は、
どうしたらいいかわからないのですね。

こんなときこそ、
上司のリーダーシップが必要とされます。

この場合、上司であるYさん自身が、
成長できる目標を設定していなかったことが
問題でした。

部下の目標設定の理由を
「会社からの命令」と捉えていて、
主体的に目標設定に
取り組めていなかったんですね。

自らの在りたい上司像を描き、
その為にできることをイメージしてもらうと
Yさんはスッキリした表情になりました。

Yさんは、終わった後
「『自分がいい状態でないと、
部下もいい状態にできない』
というのは僕にも当てはまる事で、
とても良い気づきになりました。
僕も自分を良い状態にして、
部下や会社を良くしたいと思います」
と言っていました。

部下に何かをさせようと思ったときは、
まず自分がそのモデルになっているのか、
自分に問いかけてみることが大切です。

Yさんのように、
部下と会社の要求のはざまで悩む
中間管理職は、非常に多いと感じています。

日本の中間管理職の方々に、
共通した悩みではないでしょうか。

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