私のみらい創世塾では、受講生の皆さんに、
部下に主体性を発揮させる組織の構築には、
どう考え、どう実践すればいいかについても
学んでいただきます。
エンパワメント(権限委譲)を
推し進めるためには、
部下に主体性を発揮してもらえるよう、
定性面にも働きかけることが
重要な要素です。
ある日、そのプロセスを話していると、
IT企業でリーダー職をされている
Sさんからこんな質問が出ました。
「評価がしづらい定性部分
(数字では表せない「質」に関する事柄)は、
評価する人によって良くも悪くもなりますが、
そのあたりを平等に評価するには
どうしたらいいですか?」
Sさんの会社では、
部下を評価する際にいくつかの定性面での
評価項目があるそうです。
例えば
「お客様目線で考え行動する」
お客様目線で行動できていればOKなのですが、
どの程度が良い状態なのかが
人によって判断基準がマチマチなので、
個人の目標として設定しにくいそうです。
このような問題は、
あなたの会社でもあるかもしれませんね。
このように、わかりにくいとか、
主観で判断されやすい評価項目は、
限りなく見える化させることです。
こんなとき、良く見受けるのが、
結果対象を探すこと。
〇〇さんは、クレームを〇回出しているので
今回の評価はCです、とか。
評価項目は、
「お客様目線で考え行動する」ですから、
これはそもそも適切な評価ではないですね。
このような場合は、
具体化、細分化することです。
「お客様目線」とは、
具体的にどんな目線であればいいのか?
「考え行動する」とは、
具体的にどんな行動をすればいいのか?
そして、「お客様目線」の最高レベルは
どんな目線か?
優良レベルは? まあ良いレベルは?
あまりよくないレベルは?
「考え行動する」も同じです。
最高は? 優良は?
まあ良いは? あまりよくないは?
こうして具体的にレベルわけをすると、
部下へのフィードバックがしやすくなります。
こうした定性評価項目を、
半期に1回とか、3カ月に1回とかしか
使わない会社もよくあります。
でも、そもそも
「お客様目線で考え行動する」を
評価項目に入れているのは、
そのような行動をとることが
会社にとって望ましいからですよね。
もしそうであるならば、評価項目ではなく、
日常の指導・フィードバックツールに使い、
その棚卸しを、
人事評価に使った方がいいでしょう。
上司の立場としても、部下の行動を観察し、
評価項目に照らし合わせて
随時フィードバックすることを
繰り返していれば、
いざ、人事評価の時期になって
迷うことも減りますし、
部下に反発を食らうことも
少なくなるでしょう。
人事評価の中でも定性評価項目は、
行動や姿勢を評価するためものであり、
それは、ある一時期の姿を見て
評価するのではなく、
毎日の行動を観察し、
フィードバックをするツールとして
活かしていて、
初めて説得力を持つものだと考えます。
あなたの会社や組織の、
部下と向き合う際の参考になれば幸いです。
件のSさんは、
このような私の話を受けて、
「早速、会社で実践してみます!」と
笑顔で返してくれました。
今後のSさんの成果が楽しみです。
あなたも、悩ましい部下評価を改善しませんか?