今日は、「自分の殻を破る」を
テーマにお伝えします。

教育関連の仕事をされているAさんに、
コーチングのセッションをした時の話です。

彼女はリーダー職で、
人のマネジメントを任されていますが、
上からの指示命令には
理不尽でも従わなければいけない社風に、
嫌気がさしているようでした。

「でも、仕事ですから」と、
真面目なAさんは従っています。

「そうやってする仕事は楽しいですか?」
と私がAさんに質問すると
「楽しくはないですが、従わないと
いろいろと言われるのでやってます」
との返答。

「変わりたくはないのですか?」
と再度尋ねると、Aさんはこう答えました。
「変わりたいですけど、今の仕事では変われません。
転職するしかないと思っています」

こうした時に、転職してしまうのも
一つの手段として考えられます。

しかし、自分が変わらずして
環境だけを変えてしまうと、
また同じような状況に陥った時に、
昔の自分がムクムクと顔を出して、
現在のような、指示に従うだけの自分に
戻ってしまう可能性があります。

上司は選べませんからね。

「そんな自分をどうしたいですか?」
と質問するとAさんは、
「変われるものなら変わりたい」との返事。

では、今変わればいいのです。

人の現在の思考パターンは、
過去の自分の体験の刷り込みから来ています。

Aさんは、お母さんの影響を受けていました。

小さいころから共働きで、
夜遅くならないと帰ってこなかった母。

長女だったAさんは、
自分がしっかりしなければと思い、
毎日家の片づけなどをして、
母の帰りを待っていたと言います。

忙しいお母さんに心配をかけまいと、
自分の話もあまりしてきませんでした。

さらに話を深く聞いていくうちに、
家ではあまり自分を出すことを
しなくなっていたこともわかりました。

子どもですから、自分のことを
お母さんに理解してほしい気持はありました。

でも、このように自分の気持ちを抑えて、
過ごしてきた過去があったのです。

大人になった今でも、
お母さんと仲はいいのですが、
あまり自分の事を話すことはないようです。

自分の気持ちを抑えること。
これが、長年彼女には
自分を守る考えとして刷り込まれ、
今の仕事のスタンスに
反映されているようでした。

私はAさんに、
お母さんに対して、
子どもの頃思っていたことを
正直に話すことを提案してみました。

彼女は最初は戸惑っていましたが、
話をした後の様子をイメージをしてもらうと
雲の晴れたような表情になり、
「やってみます!」と
元気よく言ってくれました。

セッション後、Aさんは
「自分がどう変われるのか、わからなかったのですが、
やることが明確になってスッキリしました」
とも語ってくれました。

子どもの頃の自分と比べると、
今は考え方も大人になり、
視野が広がっています。

子どもの頃言えなかったことも、
今なら言えることが沢山ありますよね。

人に対しての思考パターンに、
昔の我慢していた自分を
引きずっていたことに気がついたAさん。

お母さんのことが好きなだけに、
少しの勇気をもって、
告白にトライするそうです。

Aさんは、過去の我慢していた自分を、
解放してあげることを決めました。

人が、今の思考のクセやパターンを
変えたいと思ったら、
最も影響を受けた人、
あるいは今影響を受けている人との
関わり方を変えるのが効果的です。

その典型的な相手がご両親です。

私も含め、多くの人は親御さんの
影響を受けています。
子どもの頃は話せなかったことでも、
大人になったら話はできます。

親御さんとも本音で話せるようになれると、
自分自身も変われますね。

あなたも、
過去の自分の殻から抜け出してみませんか?

 
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