2019年に千葉県野田市で起きた、
小学4年生の女の子が自宅で亡くなり、
娘への虐待を繰り返していた父親、
そして母親までもが逮捕された事件をご記憶でしょうか。

私にも同じ年齢の娘がいますから、
なくなった娘さんの、
苦しかった、
助けてほしかった、
本当は親に甘えたかった、
優しくしてほしかった、
そんな彼女の心の内を考えると、
今もとてつもない憤りを覚えます。

父親はしつけの一環と言っているそうですが、
あなたはどう考えますか?

子どもを持つ親ならば、
私も含め誰しも少なからず
「子をしつける」のは親の務めだ、
と思うところはあると思います。

その気持ちが
エスカレートしすぎたのでしょう。
自分で自分が何をしているのか、
判断が付かなかったのかもしれません。

いずれにしろ、人の命を奪ったという点で、
罪は限りなく重いですね。

再発防止をどうするのか?
この一件をどう未来に活かすのか?

この部分は政治家と専門家に任すとして、
ひとりひとりが
自分には何ができるかということを、
考えてみることが大切だと思います。

そもそも「しつけ」とは
「礼儀作法を教えて身につけさせること」(語源辞典)。

教えて身につけさせたいという願望が、
出発点です。

礼儀を身につけさせることが目的であって、
教えることが目的ではありません。

そして、礼儀を身につけさせた先には、
人に信頼される人になってほしいとか、
何かを任される人になってほしいとか、
親の想いがあります。

この親としての想いを伝えたうえで
いろんなことを教えてあげたいですね。

いや、「想いを伝えること」ではなく、
「理解してもらうこと」と言ったほうが
いいですね。

やることの先にある目的が理解できると、
人は動きやすくなります。

理由があれば人は動けるのです。

でも、それが誰かの押し付けであった場合は、
反発したりします。

「伝えること」で済ませてしまうと、
反発を招くことが多くなるのは自明ですね。
特に、自我をしっかり持っている人ほど
反発します。

ということは、
反発する人ほど自分の考えを持っている、
ということなんですね。

その人の考えを聞いてあげることができて、
その考えの先にあるものを探してあげると、
今の手段へのこだわりや執着がなくなります。

さらに、聞いてくれた人への
安心感や信頼感も醸成されます。

児童相談所の方々に
こうした対話の技術が身に付けられる環境は
あったのだろうか?
行政はそのような人材育成環境を
整備していたのでしょうか?

私ができることは、
社会のリーダーたちに、
この技術を早く、広く、伝えていくことです。

出版もその一環ですが、
対話の技術を持つことが当り前の社会にする、
ビジョンへの取り組みを
より加速せねば!
と、この事件を見て改めて思いました。

目的が自覚できず、
教える理由が言語化できずにいると、
「私は言うことは言いました」と、
自分の言うことを
聞かない相手が悪いということにして、
自分を正当化しようとします。

一時的な場合もありますが、
目的を忘れてしまうのです。

これが積み重なると、
「いくら言っても、うちの子は聞かない」
になり、
焦点が、理解させられない自分ではなく、
目の前の子どもの反応に向いてしまうのです。
これは、相手が大人であっても同じです。

ここで私が提言したいのは、
「今の自分を自覚することが必要です」
ということ。

特にネガティブな状態になったときにこそ、
自覚が必要です。

怒りなどのネガティブな感情に包まれたり、
ストレスを感じているときは、
ほぼ間違いなく自分の状態に
焦点が向いていません。

ネガティブな状態に陥ったときには、
「今自分はどんな状態か?」自問しましょう。

すると多少落ち着きますから。
焦点が自分に向くからです。

落ち着かない場合は、
自分に4,5回言い聞かせてください。
「今、あなたは
怒りの感情に包まれているんだね」と。

その上で「そもそもの目的は?」と
自問してください。

大切なことは
ネガティブな感情を爆発させることではなく、
目的を見つめることです。

ここについては、拙著
「最高の上司は、何も教えない。自分も部下も結果がすぐ出るマネジメントの鉄則43」でも
詳述しています。
参考になれば幸いです。

ネガティブな感情に
包まれている人を見つけたら
「今、あなたはどんな状態ですか?」
と質問するか、
「今、あなたはネガティブに見えますよ」
とフィードバックしてあげましょう。

すると、相手は自分の状態を
自覚するチャンスを得ることになります。

こうした言葉のやり取りは、
慣れれば簡単にできるようになります。

慣れていない人は練習しましょう。

早く身に付けたい方は、
みらい創世塾の体験講座や体験説明会へご参加ください。

みらい創世塾8期 体験説明会(外部サイト)

 
人を動かし仕事を楽にする言葉の力 明るく出口を照らす 問いのスイッチ365日の無料メールコーチ