新しい視点を取り入れるために
何をしていますか?

「いいもの持ってるんだけど、
今一つ壁を乗り越えられないなあ」

あなたの周りにこんな人いませんか?

部下の育成について日々模索しているAさん。

なかなか、うまく部下を育てるという壁を
破れないでいます。

プレイヤーとして、
問題意識も高く優秀だったAさんは、
チームを任されるリーダーに抜擢され、
社内でも期待をされています。

ところが1カ月もしないうちに、部下から
「Aさんは私たちに期待してくれていない」
といった言葉が出るようになったのです。

チームを良くしたい一心で
取り組んでいたAさんはショックを受け、
私のところへ、何とかしたいとの想いで
相談に来られました。

部下はどのような様子かAさんに質問すると、
「うちの部下は優秀です」と言います。

「でも」とAさんは続けました。
「優秀だからなのか、優先順位を自分たちの判断でつけて仕事をするので、こちらの目算が立たないことが多いんですよね」

私が「そんな時はどうしているんですか?」
と尋ねると、Aさんはこう答えました。

「最初の頃は、こちらが思ったスピードで動いてくれないので、腹が立ってましたね」
「でも、この人はそういう人なんだと思って、今は接しています。相手を感情的にさせても何も生み出しませんから」

そんなAさんに、
私はさらに質問を重ねていきました。

私「この人はそういう人なんだと、決めてしまうメリットは何ですか?」

Aさん「仕事をスムーズに進めるためです」

私「Aさんは、どんなリーダーでいたいのですか?」

Aさん「チームの成果を出し続けられるリーダーです」

私「チームの成果を出し続けるには、何が必要ですか?」

Aさん「部下の力です」

私「部下の力ってどうすれば、最大限に引き出せるようになると思いますか?」

Aさん「部下をやる気にさせ、皆が同じ方向を向いていくことです」

私「その為には、何が必要だと思います?」

Aさん「私が部下をやる気にさせないと、ですね」

私「『この人はそういう人なんだ』と思う人をやる気にさせられます?」

Aさん「そこが難しいですね」

私「では『このひとはやる気になれる人なんだ』と思ったら?」

Aさん「やる気にさせられますね」

ここまでで、
Aさんは部下にレッテルを貼っていた自分に
気が付かれました。

人間は、
何事も効率よく進めようとするために、
人にもレッテルを貼りがちです。

良いレッテルならいいのですが、
その人の可能性の芽を摘むような
レッテルを貼ってしまうと、
その人の可能性を引き出すことを
あきらめてしまうのと同じです。

リーダーがこれをやってしまうと、
部下は「期待されていない」と感じるのは
当然と言えば当然でしょう。

Aさんは「相手を感情的にさせても
何も生み出しませんから」と言っていました。

これは私から見ると、
レッテルを貼って
部下の育成をあきらめているAさんの、
ただの言い訳にすぎません。

上司のレッテルの貼り方次第で、
部下の可能性はいくらでも
伸ばすことができます。

Aさんは、自分の視点や見方が
部下に影響を与えていたことに気が付き、
「帰ったら、部下との対話からまた始めてみます」
と言われ、
「良いレッテルを探すために」
とも付け加えて帰っていかれました。

人は知らず知らずのうちに、
自分のパターンを繰り返しています。

Aさんは、
思いが伝わらない人には伝わらない、
という思い込みを持つパターンがありました。

でも、Aさんのように、
問題を感じたら人に相談するといった
視点を変える行動がとれると、
自分のパターンにも気が付きやすいですね。

5000人以上の人財を
観察・育成してきた私から見ると、
「この人はそういう人なんだから」
「仕方がない」
といった言葉を口にする人は、
チームを機能させられない
パターンに陥りやすいですね。

人の可能性に蓋をしているのと、
同じことですから。

自分のパターンを知る
最も手っ取り早い方法は、
人から客観的なフィードバックを
もらうことです。

Aさんは
私にフィードバックを求めてこられました。

自分だけでは見えなかった視点を、
手に入れるための行動をするだけで
物事は前進させられます。、

普段から意識しておきたいことですね。

 
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