■今日の質問 

「職場で思っていることを伝えられていますか?」  

皆さん、こんにちは。

悩めるリーダーにブレイクスルーを起こす、

人財育成コーチの森泰造です。

 

私の「リーダーシップ実践マスター塾」では、

講座終了後に3か月間月1回のペースで、

フォロー会を行っています。

 

これは、塾で学んだ原理原則を

職場で実行する際に生じるエラー、

「うまくいかないこと」について

参加者視点のフィードバックと

原理原則に当てはめて考えることで

解決策を探りだす場です。

 

 

今日は、そのフォロー会で出てきた

事例をシェアします。

 

Rさんは、派遣会社のリーダー職です。

 

取引先の会社に派遣社員を引き連れて

正社員雇用を前提に、

その派遣社員を指導・育成されています。

 

彼女の悩みは、

先方から、契約にはない要求があった場合、

ときどき納得しかねることがあるのだが、

果たして口に出していいものだろうか?

ということでした。

 

具体的には服装や髪型が派手だと指摘され、

改善するように言われたそうです。

 

それはRさんからすると、

「それくらい問題ないでしょう」

という範囲だったのですが、

先方の担当者は

「一般常識だから」の一点張り。

 

そして先方の就業規則には、

そのことについての規定はありません。

 

これまでのRさんだったら、

間髪入れずに「すいません」と言って、

引き連れてきた派遣社員に改善するよう

指導したことでしょう。

 

しかし、「実践マスター塾」で学んでから、

彼女は常に自分で何がベストか考え、

実行する主体性を身につけました。

 

常に問題意識を持って

取引先の未来を考えて

取引先とのやり取りもできるように、

成長していたのです。

 

今回も、

派遣社員の能力育成に自信を持っていた

彼女だからこそ、

就業規則にもない服装や髪型について

改善を強要する取引先に、

不満を感じたのでした。

 

先方の仕事の事を考えると、

その派遣社員のスキルは必要です。

 

Rさんには、「服装や髪型などより、

まずはその人の能力を見てほしい。

そうすれば継続的に優秀な人を派遣でき

るので、相手(取引先)は助かるのに。」

との思いが強くありました。

 

取引先との今後の仕事のことを考えると、

相手は大切なお客様。

怒らせてしまうかもしれないし、

言っていいものかどうか迷ってしまう。

 

こうした葛藤をRさんは感じていました。

 

ここで、一般論としては、

服装などに関して目合わせをしたらいいのに

という意見もあるでしょう。

でも、相手先は上から目線。

話を聞いてくれそうにありません。

 

あなたがRさんならどうしますか?

 

私は、Rさんにひとしきり話を聞いた後、

「そもそもどんな状況になればいいの?」

と質問しました。

 

Rさんから出た答えは

「自由裁量が欲しい」

「派遣スタッフの能力を信じてもらいたい」

でした。

 

Rさんが育てた人財の強みを

取引先にも理解してもらいたい。

 

そうすると、派遣できる人材の質・量とも

もっと増やすことができる。

 

けれど、今は先方の要求に

100%従わないといけない。

 

もっとこちらに提案する力があれば

取引先にも良い変化が起こせるのに、と

強く思うようになっていました。

 

以前は何の疑いもなく、

先方の要望に応えていたRさんですが、

今では、仕事で主体性を発揮する価値を

理解されています。

 

「相手にプラスになることを

自由に提案できるようになるには、

何が必要だと思いますか?」

私はさらに質問を重ねました。

 

Rさんの答えは、

「相手と本音の話ができることです」

 

「相手と本音の話ができるようになるには

何があればいいですか?」と、私。

 

「相手との信頼関係ですかね」と、Rさん。

 

講座でも伝えていることですが、

信頼関係を築くには原理原則があります。

 

それは、共有体験。

 

相手の大切にしたいことを理解すること、

そしてそこに共感することです。

 

取引先の担当者が話しているのは、

「一般論として、服装や髪型がおかしい」

という表面的なことです。

 

この言葉の裏にある本音は何でしょう?

Rさんに推測してもらうと以下のようでした。

 

・本人が服装や髪型で痛い経験があるから

・服装や髪型にうるさい上司がいるから

・服装や髪型がよい仕事を生むと信じている

・たまたま虫の居所が悪かった

 

私の塾では、相手の願望や要望を掘り下げる

コーチングのフレームワークも学びます。

 

それを使って、

相手先担当者の「本音」を理解すること。

そして、相手の立場に立って、髪型や服装の

言葉が出てきた背景を理解すること。

 

これで、相手の本音を引き出せます。

 

相手の本音が引き出されると、

相手はRさんの言うことを

聞く姿勢ができます。

 

そこで、お互いに腹を割った話をすると

効果的なのではないでしょうか?

 

と、

この時点でRさんの曇っていた表情は

さわやかな笑顔に変わっていました。

 

自分の主張を聞いてほしいのなら

まず、自分が相手の表面的な主張ではなく

相手の本音、本心を訊き出すこと。

 

お互いの理解が進めば、

調和し、さらに話し合うことで、

第3の案が見つかります。

 

そんなことを繰り返していくうちに

お互いの関係性は発展していくのです。

 

それには彼女自身も、

自分の取り組んでいる人材育成の効果を、

見える化するなどの努力が必要です。

 

最後にRさんは、

こうしたことに自分も取り組みながら、

取引先とこれからの話をすることが楽しみだと

笑顔で話してくれました。

 

ここからのRさんの成長が楽しみです。

 

あなたは、職場で思っていることを伝えられていますか?

 
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