■今日の質問
「職場や家庭にフィードバックを取り入れてみませんか?」
こんにちは。
悩めるリーダーにブレイクスルーを引き起こす、人財育成コーチの森泰造です。
今日は職場や家庭でのコミュニケーションを円滑にしてくれる、「フィードバック」について書きたいと思います。
「フィードバック」と聞くと「評価」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
「フィードバック」とは、もともと「帰還」と訳され、ある系の出力(結果)を入力(原因)側に戻す操作のことです。
コーチングの世界では、『コーチの耳に入ったり目に入った情報を、そのまま相手に返してあげる。それで相手は「客観的にこう見えているんだ」という新しい視点を得る』などと説明したりします。
人は、意外と自分の事が見えていなかったり、わからなかったりするものですよね。
「今、とても思い詰めている顔しているけど、どうしたの?」などと言われて、ハッ! とした経験はないでしょうか。
私自身も、前職(日本KFCホールディングス)の頃から、これを人を成長させるのにとても有効なツールとして使ってきました。
なぜならば、ハッ! とするからなんです(笑)。
スーパーバイザーとして店長と接するときには、アドバイスは封印し、いかにして質問とフィードバックで店長に動いてもらうかにチャレンジしていました。
例えば、店長が部下の指導をしている姿を見たとき、
「店長の指導って、私にはとても○○を大切にしているように見えます。一方で××の視点はどこにあるのかなと疑問も沸きました。私からこう言われて、何か感じることや思うことはありますか?」
このように話をすることを続けているうちにだんだんと、店長たちは私のフィードバックを期待するようになりました。
人は「自分の考えや行動に確信を持ちたい」と思っているからなんですね。
もちろん、この前提にはラポール(信頼関係)が必要です。
これがアドバイス一辺倒の人になると
「店長の指導は、○○は大切にしているのはわかるけど××の視点が無いので、▲▲してみてください」となります。
考えさせることと、命令してやらせることの違いですが、どちらにより主体性が育つかは明白ですね。
私の「リーダーシップ実践マスター塾」では、安全安心の環境を作り、フィードバックを多用しています。
その狙いは3つ。
ひとつ目は、新しい視点を身につけていただくこと。
2つ目は、自分の見えていることや感じたことを言語化し、相手に伝えることによる自己開示。
3つ目は、相手を思いやる心と長所を見抜く視点が育つことです。
まず、ひとつ目の新しい視点についてですが、受講生の中には「客観的な意見を、自分が気づけていない見方で、自分のためになるという意図でもらえるからとてもありがたい」と言ってくれる方が少なくありません。
リーダーですから、自分が客観的に見てどう見えているかを知ることは、チームを前に進めていく上で大きな力になります。
そして2つ目の自己開示です。
自己開示は進めば進むほど、お互いの理解が深まり、信頼関係が強くなります。
自己開示は進めば進むほど、その場が「自分の場」だと認識できるようになります。
自己開示は進めば進むほど、その人がありのままの自分でいられるようになります。
すなわち、
自己開示が進めば進むほど、その場のリーダーシップを発揮できるようになるのです。
最後に3つ目についてです。
「実践マスター塾」では、フィードバックの定義を「相手の事を思いやって、見えたり感じたりしたことを伝える」とし、全員の共通認識にしています。
そのため、人の長所にフォーカスし相手に気づきを与えられるよう考えて、相手へのフィードバックを行います。
これを繰り返し行うので、相手を思いやる心と長所を見つける視点が育つのです。
フィードバックする方も、される方も、刺激を受け成長できるので、みなさん喜んでやってくれますし、フィードバックが終わった後の場の空気は、とても高揚した感じになります。
やり方は簡単です。
相手の事を思いやって「私から見たら、○○のように見える」と伝えるだけです。
相手の事を思いやらずにしてしまうと、溝が深まるだけですから、「相手のために」が大前提となることをお忘れなく。
ぜひ、ご家庭や職場でも取り入れられることをおすすめします。
あなたも、フィードバックを取り入れてみませんか?