■今日の質問
「孤独を感じたとき、どのように対処していますか?」
こんにちは。
悩めるリーダーにブレイクスルーを引き起こす、人財育成コーチの森泰造です。
今日は、夜眠れない方が眠れるようになったというお話をご紹介します。
先日Yさんにコーチングセッションをしました。学校の先生です。
彼女は頭脳明晰で、生徒さんの主体性を引き出して、それぞれの個性を育てようと真剣に取り組んでいらっしゃいます。
その真摯な姿勢には、私も学びや気づきを多くいただいております。
そんな彼女の悩みは「夜眠れない」こと。
昼間は生徒たちと正面から向き合い、とても充実した時間を過ごされています。
ところが夜になると、寂しさや孤独感に包まれて、眠れなくなる日々が続いていました。
寂しさや孤独感を感じる人は、愛やつながり感に価値を感じられる方が多い傾向があります。
Yさんは、一流大学を卒業後大学院でさらに学ばれている優秀な方です。
加えて、生徒の未来を本気で明るくしてあげたい強い気持ちを持っていらっしゃいます。
Yさんの一家は、教育一家でした。
小さいころから勉強することに関しては、お母さんに厳しくしつけられてきたそうです。
夜眠れないことを心理学の先生に相談したところ、「お母さんに『ありがとう』と感謝をしてみてください」と言われたそうです。
これまで厳しかったお母さんに、感謝の気持ちを伝えることで、心の安全基地を作ろうという戦略です。
自分に一番近い人との関係性を改善することで、心の安全基地を取り戻そうとする、心理学の先生の意図が見えます。
ところが、Yさんはお母さんとの会話があまりないのが現状で、「ありがとう」の一言をなかなか言えません。言えた時でも心からの感謝ではなく、単に言葉だけ伝えたような状況でした。
これでは、安全基地は作れません。
Yさんの眠れない悩みは、そのまま続いていました。
私がYさんの話を傾聴していくと、実は原因が「学校」にあったことがわかりました。
生徒たちに笑顔で接し、生徒の悩みに対しては彼らが答えを見つけられるよう働きかけ、その結果、生徒が自分で解決策を見出した時の笑顔を見ることが、Yさんのやりがいです。
そして、そんな生徒の成長をいくつも実現させ、生徒同士が言いたいことが言い合える環境を作りたいという目標をお持ちです。
これは、Yさんの価値観を満たす目標ですので、大変やりがいも感じて取り組んでいらっしゃいます。
一方で、同僚の先生たちには、ややあきらめた感情をお持ちでした。
他の先生方からは、Yさんの取り組み姿勢に対し、批判的なコメントを頂くこともあったそうです。
そのうち「どうせ言ってもわかってくれない」という思いが出てきていたのです。
職場の同僚との信頼関係が築かれないと、そこに安全安心の場はありません。
知らず知らずのうちに、Yさんが孤独感を感じる環境になってしまっていたのですね。
Yさんご自身は優秀な方です。
生徒さんと向き合っている時の気持ちに充実感を感じられるのですから、同僚の先生方にもそれと同じような気持ちで接することを目標としてみましょうと提案したら、「それやります!」と目を輝かせていらっしゃいました。
次に、現在の生徒さんとの充実した時間、その感覚と似ている過去のYさんの体験の中にあるお母さんとの思い出を探ります。
すると家族で一緒に外食をしたときの思い出がありました。
過去と現在の感覚を、未来での同僚との相互理解が進んでいる状態をイメージする材料に使います。
これで、Yさんのビジョンができました。
そしてその表情も、とりついていたものが取れたかのようなサバサバしたものに変わったのです。
セッションが終わった後、Yさんからこのようなコメントを頂きました。
『森さん、今日はコーチングありがとうございました。
相手の価値観を大切にして話を聞いてみたいと思います。
私が分かってもらえないって思ってるのも、そもそも私が大人の相手の事をわかろうとしていないからなんだなってことが分かりました。
今日、価値観レベルでお話を聞いていただいて、未来に視野がある状態でお話を聞いてもらって嬉しかったです。
是非、今後とも、よろしくお願い致します!』
そして、その翌日にもこんなメッセージが。
『森さん、ありがとうございます(*^^*)嬉しいです。
お陰さまで昨日はぐっすり眠ることができました。
またビジョンがぶれたら、ログを見返してみたいと思います』
Yさんの不安は、Yさんにとって価値のある未来を創ることで解消されました。
人は見えないものには不安を抱きます。
Yさんの場合は、それが「職場環境」だったのですね。
これからのYさんの飛躍が楽しみです。
Yさんのようなお悩みを抱えていらっしゃる方がいらしたら、ご相談ください。
あなたは、孤独を感じたとき、どのように対処していますか?