■今日の質問「相手の主体性を発揮させるコミュニケーションを意識していますか?」
こんにちは。
悩めるリーダーにブレイクスルーを引き起こす人財育成コーチの森泰造です。
私は最近、予定が目白押し。
やりたいことはたくさんあるのですが、思うように時間が取れない感じです。
常に未来を考えて仕事をせざるを得ない環境になるのは、ありがたいですね。。
このような状況を作っていただいているみなさんに感謝します。
今日は、部下やメンバーの主体性を発揮させるコミュニケーションについて書きましょう。
私の講座やセッションでも、「部下の主体性を発揮させたい」「もっと主体性をもって働いてもらいたい」などの声をよく耳にします。
主体性を発揮させるには、方法があります。
先日も、こうした悩みを持っておられる方とのセッションの中で、こんな会話がありました。
「相手のことを考えて、こうしたらいいじゃないって丁寧に伝えてるんですけど、なかなか動いてくれないんです」
その状況を聞いていた私は即座に
「それは動かないでしょうね。」
と答えました。
なぜだかわかりますか?
そもそも主体性とは、簡単に言うと「自分で考え意志をもって決断し行動すること」です。
積極性や自主性とは違います。
例えば「挨拶」です。
積極的な人は、誰よりも早く「おはようございます」と言います。
自主的な人は、挨拶が慣習となっている職場などで、自分から進んで「おはようございます」と言います。
主体的な人は、自分で挨拶の持つ意義を考え、良い未来を創りたい等の目的をもって「おはようございます」と言います。
違いはお判りでしょうか?
積極的は「(誰かと比べて)進んで行う」
自主的は「あるルールがある中で、進んで行う」
主体的は「どんな環境であろうとも、自ら何が大切か考え自分の意思をもって、行う」
ということです。
単に積極的、あるいは自主的な人財を育てても、持続的に成長し続ける組織はできません。
大切なポイントは「自ら考え、自らの意思をもって行動すること」。
主体的な行動を部下やメンバーにとってもらおうとする時、大切なことは「相手が自ら考え、自らの意思をもって行動できるようになるコミュニケーションをとる」ことです。
もうおわかりの方もいらっしゃると思います。
先ほどの部下に主体性を発揮させたいと思っている方は、相手に考えさせるコミュニケーションになっていなかったんですね。
「相手のことを考えて、こうしたらいいじゃないって、丁寧に伝えてるんですけどなかなか動いてくれないんです」
とのことでしたが、こうしたらいいと伝えている時点で、相手は思考を停止できるんです。
上司が「こうしたらいいじゃない」と言ってくれたおかげで「考えるエネルギー」を使わずに、言われたことだけやればよくなるんですね。
その結果、部下は考えることを放棄してしまいます。
このようなコミュニケーションスタイルを取っていれば、相手は自ら考えようとは思いません。
わからない時は上司に聞けば解決策をくれるからです。
人間は変化を嫌い、恒常性を維持しようとする生き物です。
部下に主体性を発揮させたいのならば、上司が方法論を考えることを部下に求め、考えさせることが大切です。
「どうやったらいいと思いますか?」
この質問だけだと、方法論が思い浮かばない部下もたくさんいます。
この場合、上司が助け舟を出してあげてもいいのですが、部下の主体性を育てるのであるならば、その方法を具体的に探させましょう。
「何があったら、その解決策は見つかるのか?」
「あなたに、どんな能力があれば、解決できるのか?」
「その問題を解決できる能力を持っている人はいないのか?」
このような問いかけで、部下に考えさせるのです。
すると、問いかけで答えを探し出した部下には「自分で解決策を考え得ることが出来た経験」ができ、それが本人の「人にアドバイスをもらわなくても自分でできる」自信にもつながります。
アドバイスを質問に置き換えるだけで、考えさせるトレーニングはできます。
このようなコミュニケーションスタイルを習慣とできる上司と、いつもアドバイスをしてしまう上司。
同じ能力を持った部下であったとしたら、1年後、いや3か月後にはどれだけの主体性発揮能力の差がつくでしょうか?
自ら考え行動する習慣を持つ部下が育てば、その下の後輩の指導も安心して任せられますよね。
コンサルの現場に行くと、よく見られる光景でもあります。
あなたも今からでも遅くはありません。
自分らしさを発揮して、結果に責任のとれる部下を育てましょう。
あなたは、相手の主体性を発揮させるコミュニケーションを意識していますか?