■今日の質問「当たり前」を外して物事を考えてみませんか?」

 

こんにちは。悩める管理職にブレイクスルーを起こす人財育成コーチ・森泰造です。

 

今年の大相撲春場所で、ケガをしていた稀勢の里が優勝したことは、多くの人に強い印象を残しました。

私も、テレビを見て感動した一人です。

 

誰もが休場するだろうと思っていたケガを負いながら、あえて出場し、そして千秋楽に大関相手に二番続けて勝って優勝するのですから。

稀勢の里本人が「自分の力以上のものが出た」と男泣きしながら話していた姿は、とても印象的でした。

 

さて、今月25日から「管理職1年生がブレイクスルーを起こすリーダーシップ実践マスター講座」が開講しました。初回では問題意識の高い受講生の方々を前にして、私もいつもよりさらに力の入った時間となりました。

 

講座内でのテーマのひとつは、「リーダーとして必要とされる能力」です。

 

世の中のリーダーには、「人から信頼されないけど仕事ができる人」もいます。

が、このような人は総じて人を見下したり、簡単に人の能力をあきらめたりします。

そして、このような人に共通するのが、短期的な結果のみに焦点を当てること。

本人が短期的な結果なら出すので、周囲は認めざるを得ないようになるんですね。

 

短期的な結果を強引にでも出すことは、変化がわかりやすいので、会社にとっては必要と思われる方は多いことでしょう。

ただ、そればかり追い求めていると、組織は疲弊し、だんだん体力が蝕まれていきます。

そのうち、社員のモチベーション低下や退職が目立ち、未来を創っていく体力さえ失ってしまいます。

ここまでくると、内的なエネルギーを産むのは難しく、外部の人に頼って再生させるしかありません。

 

日本航空の立て直しのために尽力された稲森和夫さんは、

「集団、それはリーダーの人間性を映す鏡である」

と言っています。

集団がお客様やステークホルダー(利害関係者)に信頼されるには、信頼されるに足る組織の魅力が必要であり、それはリーダーの人間性を映しているものなんですね。

 

そのリーダーの人間性を表すものが、「感謝の姿勢」です。

 

何事にも感謝できる人は、その感謝したものを未来のリソースに変換することができます。

感謝ができる人は、メンバーひとりひとりの存在にも感謝できるので、メンバーを尊重していることが伝わります。

そうすると相手側も、難しい頼みごとをされた場合でも、何とかしてあげようという気持ちが出てきますね。

 

逆に感謝することが少ない人は、目の前の人や物を利己的に利用することばかり考えがち。利用した後、感謝の言葉を仮に伝えたとしても、本心でなければ相手には伝わりません。

 

私の講座の中で、「感謝できる人」について触れたところ、受講生Oさんが受講後ご自分の気づきを書いてくださいましたので、皆さんにもご紹介します。

 

 

「最近目の前の仕事の慌ただしさに流されて、周りへの感謝の気持ちが表面的になってしまっているように感じた。どこかで「これくらい出来て当たり前でしょ」という思いがある。これでは、チームにとって安心な居場所を作るどころか、信頼してもらうのは難しい。信頼される人になるには全てのことに感謝出来るようになること。『当たり前』を外して感謝の言葉にする。次回までに『当たり前』を外して、自分にも周りの人にも感謝の気持ちが伝えられるようになっていたいです。」

 

 

いかがでしょうか。

あなたも身に覚えはありませんか?

 

人は仕事に追われる状況になると、今目の前にあることだけを何とかしようという考えに支配されがちです。

目の前の人の存在に感謝することも忘れがちになります。

これに気が付かずに時を過ごしてしまうと、振り向いたら誰もいなかったという状況を招いてしまいます。

 

ひとりひとりが働き甲斐をもって楽しく仕事を進めていくのに、リーダーの「感謝の姿勢」ははずせないですね。

 

感謝をすることを習慣づける考え方の一つが、Oさんが言っている「当たり前を外す」ことです。

 

「給料が出るのは当たり前」

「妻が夕食を作るのは当たり前」

「部下が上司の言うことを聞くのは当たり前」

この当たり前を外し、考えてみましょう。

 

「給料が出るのが当り前でないとしたら、どうして社長は給料を出してくれるのだろう?」⇒ 仕事の対価としてお金と言う価値を支払ってくれるお客様がいらっしゃるから。会社が給料を出せる仕組みを作ったり、維持するのに投資してくれているからetc

 

「妻が夕食を作るのが当り前でないとしたら、どうして妻は夕食を作ってくれるのだろう?」⇒ 妻が毎日忙しい自分の事を思いやってくれているから。妻が家族の健康を守ることを大切にしているからetc

 

「部下が上司の言うことを聞くのが当り前でないとしたら、どうして部下は上司の言うことを聞くのだろう?」⇒ 部下が上司の言うことを信じたいと思っているから。上司の言うことを正しいことだと思ってくれているからetc

 

様々な理由が考えられますが、「だから、ありがたい」と思えることがたくさんありませんか?

 

この感謝の習慣を身に着けると、日常のいろんな物事に感謝できるようになります。

成功者に共通しているのもこの「感謝の習慣」です。

 

感謝の気持ちを持てる人は、人にも感謝されます。

感謝の気持ちを持てる人は、小さいことにも価値を見出せます。

感謝の気持ちを持てる人は、自分の身の回りのすべてをエネルギーのリソースに変えられます。

 

あなたは、感謝する人ですか?

それとも感謝なんてしている暇なんかないとお考えでしょうか。

 

あなたも、「当たり前」を外して物事を考えてみませんか?

 
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