■今日の質問「メンバーの仕事の基準ってどうやって上げていますか?」

 

こんにちは。悩めるリーダーにブレイクスルーを引き起こす人財育成コーチの森泰造です。

 

今私は、出版の準備やセミナー、コンサルと、頭をフル回転させる日々です。

人って不思議なもので、こうやって追われると妙にエネルギーが高まりますよね。

 

そして、フッと我に返ったとき、いろんなひらめきが出てきます。

私はこのひらめきは、毎週行っているプールで出てきます。

いつも、頭に浮かんだことを忘れないようプール教室のチラシを拝借してメモを取るのですが、友人の岡村拓朗さんから水にぬれても書けるノートを勧められて購入しました。

 

岡村さんは大学の後輩で、サラリーマンをしながら会社公認で副業としてコンサルタントをされている、いわゆるハイブリッドサラリーマンです。

そして初の著作「自分を劇的に成長させる!PDCAノート」がすでに47,000部以上売れており、ベストセラー作家という肩書まで手に入れようとされています。

 

本業でも責任ある仕事を全うしながら、そして家族との時間も大事にしながらですから、私自身も彼からは多くの事を学ばせていただいています。

 

とってもわかりやすい本ですので仕事を効率よく効果的に進めることにご興味ある方はこちらからどうぞ。

 

その岡村さんに紹介していただいたノートを購入し、プールで泳いでいると、またひらめきました!

 

本の出版に際し編集者の方から、私がケンタッキーの店長をしていた時の部下の育成について、「どうしてそんなに厳しくされていたのにアルバイトが辞めずについてきていたんですか?」って質問されたことが頭に残っていたんですね。

 

20年近く前の事ですから、質問されてすぐは答えが出てきません。

でも、プールで出てきました。とても爽快です。

 

それはおいておいて、

ケンタッキーの店長時代のお話です。

 

ある日、作業中にチキンをぞんざいに扱うしぐさの男性アルバイトを見つけました。

 

私「今、チキンを放り投げたように見えたが?」

アルバイト「あ、すいません……」

私「本気で仕事をやっているのか?」

アルバイト「本気でやってますが、すこし疲れて気が抜けていました」

私「本気っていうけど、店長と同じくらい本気でやってんのか?」

アルバイト「私は店長とはもらってる給料が違います」

 

この答えに私は激高して、

「俺は店長の給料だが、俺よりはるかに高い給料をもらっている社長に負けない(と思っている)本気度でやっている、お前は?」

と言ってしまいました。

 

しかし10秒で(と思っていますが実際はそれより長いかも)気分を落ち着かせた後、

「そこまでは求めないよ。でもプロとしての仕事はしろ。○○が仕事を通じて本物を身に着けることが給料より大事なことだ。それが○○の為だし、みんなのためだ。原材料一つ一つを大事に扱って、プロとしての仕事をしようとしているほかのみんなに対してどう思うんだ? ○○が行った、たった一つの行為を店長の俺がいいよって認めたら、うちのブランドはどうなるんだ? 仕事をしているときはプロなんだから、ユニホームを着ている以上は気を抜くな。ユニホームを脱いだときに気を抜いたらいい」

と話すと、アルバイトは反省した様子で、

「はい、すいませんでした」

との返事。

 

そこで私は、

「わかったのなら、もういい。で、今後どうしたらいいと思う?」

と問いかけました。

アルバイトは「え?」と戸惑った表情です。

 

私がさらに、

「今こんなことがあったということは、他の人も同じことをする可能性があるということではないのか? それを防ぐには何ができる? どんな視点があればいい?」

と問いかけると、

「今日怒られたことを業務連絡ノートに書いておきます。それから、一緒に入るアルバイトにも気を付けるように言います」

という返事が返ってきました。

 

そこで私から最後に一言。

「頼んだぞ。プロ」

 

その後の仕事からそのアルバイトの目の色が変わりました。やたら「プロ、プロ」と言うようになったのです。

後輩には「プロだからちゃんとするんだぞ」と教える時に言ってみたり、他の店を利用したときに、後で「プロとしておかしい」と感想を言うなど、彼の中での基準が上がりました。

 

こんなことを、店長でいたときには繰り返していましたね。

 

でも、基準を上げるってこんなことだと思います。

私が「プロとしての仕事をしなさい」というだけでは、彼はプロの基準について考えることもなかったでしょう。

相手の行動を観察してフィードバックして、基準とはこんなものだよと理解をさせた上で、その行動ができるように考えさせる。

これがあって、初めてリーダーの求める基準が理解されるのだと思います。

 

この、リーダーの求める基準が見える化していくプロセスの中で大切なことは、相手に考えさせる、そして、それを言語化(言葉として口にさせる)させることですね。

 

あなたの周りにも仕事の基準を上げた方がいいと思われる方がいらっしゃったら、参考にしてみてください。

 

あなたは、メンバーの仕事の基準ってどうやって上げていますか?

 
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