■今日の質問「学んだ際にやりたいと思ったことってどれくらいできていますか?」
こんにちは。あきらめかけている人をあきらめない人にするコーチ森泰造です。
あなたはこんな体験ってないでしょうか?
その内容に納得したり、感銘を受けた自己啓発本を読んだ直後は、「よし自分もやってみよう!」と思うけれど、しばらくすると「やらないとなぁ」と思いつつも「まあいいか」みたいになって、人には良い本だよって言えるのに、自分ではなかなか行動できていないってこと。
これは本に限ったことではなく、研修やセミナーでも同じ傾向になりがちです。
先日、介護施設で課長職クラスの方々に行ったリーダーシップ研修の、1か月後の状況確認とフォローアップに行ってきました。
研修直後は、受講生のみなさん大変喜ばれ、チーム変革への意気込みを語られていました。
そして1か月後のアンケートでは……。
研修終了時に実施しようと考えていたことの実行度合いは、9割の方が50%以下だったんですね。
でもこれは、ある程度予測はしていました。
人間はインプットするときとアウトプットするときでは、使う能力が違います。
インプットするとき(研修受講や本を読むとき)は、情報が自然と目に入ってきたり、耳に聞こえてきたりします。だから、それに反応するだけでいいので、言ってみれば「楽」なんですね。
一方で、学んだことをアウトプットするとき(自分の仕事場で行動に変換するとき)は、情報は自分の学んだ中にしかありません。それが、常時自分のワーキングメモリに入っているといいのですが、時がたつにつれだんだん思い出さないと出てこないようになります。まず、そこでつまずく人がいます。
そして、自分のワーキングメモリに入っていても、仕事場で行動する際はこれまでの仕事をしながら変えていきますし、他のメンバーもいますから、できるかなと言う不安や現状を変えることの面倒さを感じてしまいます。
そして、学んだことが社内で100%至上命令として徹底行動することが求められれば別ですが、たいていの場合は学んだことの実践は個人に任されています。
こうして、学んだのにできない状況が生まれるのです。
これを変えるには、いくつかポイントがあるのですが、今日はその中の一つをお伝えします。
「定期的にビジョンの確認と自己棚卸をする機会を創る」
人間は学んだことの80%を1週間以内に忘れると、心理学者のエビングハウスは言っています。
そして、新しい行動を習慣にするまでは、その行動を起こすためのエネルギーを余分に必要とします。
まずは、忘れないために定期的なチェッキングを行うこと。
簡単でいいんです。
研修受講時の想いを呼び戻すために会話をする、アンケートを取るなど。そして、本当に成し遂げたかったことは何だったのか明確にする。
これで、ビジョンと現状のギャップに気が付きます。
そこで、自分を見つめる。
自分の内面と対話をする。
この状況を知ったことをそのままにしておくと、また実行できない自分ができてしまうのではないか?
この状況を改善することができれば、何か新しい世界が目に入ってくるのではないか?
この自己対話(=セルフコーチング)が機能すれば、行動につながることでしょう。
これを一人で行うには、一定の修練が必要です。
できる人は、この習慣を仕事でもまれながら身に着けています。
まだそこまでの自分を築けていない方は、他の人の力を借りるといいでしょう。
例えば、職場で自分のやることを宣言し、定期的に誰かにフィードバックをもらいに行くとか、それ自体を社内評価の対象にするとか、あるいはセミナーなどを定期的に受講し、自分の状態を確認する機会として使うとか、手段はいろいろとありますね。
3月から開始する「ブレイクスルー リーダーシップマスター講座」では、「行動の習慣化」ができるよう今日書いた理論だけでなく、あなた自身が実行できる環境づくりも実際に行います。
文字通り「ブレイクスルー」していただくためには、必要な技術だからです。
年始の仕事を始めたこの時に、これまで本などで学んだことを振り返ってみて、改めてどんなことができるようになりたいか考えてみるのもいいですね。
あなたは学んだ際にやりたいと思ったことって、どれくらいできていますか?