■今日の質問「不安そうな人の状態をどうやって変えてあげていますか?」
こんにちは。あきらめかけている人をあきらめない人にするコーチ・森 泰造です。
みなさんは、先のことを考えて不安になることってありますか?
私も昔ほどではありませんが、ごくたまにあります。昔は本当に不安がりで、見た目とは裏腹のチキンハートでした(笑)。
そして、不安を抱えたままいろんな準備に励んだりしていたものですが、最近はその気持ちをそのまま受け入れる術を身に着けたので、不安なまま何かを迎えるということはほとんどなくなりました。
私がまだケンタッキー・フライド・チキンで人材育成担当コーチとして働いていたとき、新入社員もよく「不安です」と漏らしていました。
昔と違って最近の若者は、自分が感じたことを素直に口にする傾向にありますよね。でも、このせっかく外へと伝えた不安を解消させてあげるアドバイスができる大人は、果たしてどれくらいいらっしゃるでしょうか?
不安を抱えたまま物事に取り掛かると、どうしてもおそるおそるになってしまい、意欲的なチャレンジが生まれにくくなります。
「そんな状況にならないよう、準備を100%しておくんだ」というアドバイスを送る方は多いと思います。これも私が携わった新入社員との話ですが、そんなアドバイスをしても「不安」が解消されず、沈んだ顔をする若者が数名いました。
おとなしく優等生タイプの子に多かったですね。彼らは学生時代に、勉強することによって怒られない自分を作ってきた経験はあるのですが、社会人になり、研修期間が終わっていざ本配属となると、まだ知らない世界に出ていくことに対して怖がっているように思えました。
そうした状態で「怖がるな、大丈夫だから」と声をかけても、最近の子は逆に委縮してしまうことがあります。
こんな時は、物の視点を変えてあげることが有効。
よく私が言っている、「パラダイムシフト」ですね。
「不安」は、未来が想像できないときに起こります。そして想像できない自分にフォーカスするので、自分に自信がなくなり、安心できなくなるのです。
見方を変えれば、未来に対して真剣に向き合おうとしている証でもあります。
未来のことを何も考えなければ、不安になることはありませんが、仕事の準備もできません。
だから不安になるということは、未来に対して問題意識をしっかりと思っているということなんです。
その問題意識をしっかりと持っている自分は、前へ進みたい、期待に応えたいなどの願望・欲求を持っているからこその自分ですね。
「そんな自分を認めてあげなさいよ、すばらしいじゃない」と言うと、多くの若者は顔がほころびます。
それでも不安の解消が難しい場合には、視点を未来に移し、一人前になった未来の自分をイメージさせ、そして未来の自分から今の自分に対して語りかけさせます。
こうした働きかけを不安げな顔をしている人に対して施すと、不安な自分が未来を見据える自分に成り代わり、最後は笑顔に変わります。
みなさんも、一度お試しになってはいかがでしょうか。
あなたは不安そうな人の状態をどうやって変えてあげていますか?