■今日の質問「あなたの新入社員の頃の思い出は何ですか?」
こんにちは。あきらめかけている人をあきらめない人にするコーチ・森泰造です。
4月に入社した新入社員。もう3か月が過ぎますね。皆さんの会社では、そろそろ慣れてきた頃でしょうか? 駅前で不動産関係の会社の新入社員がチラシを配ったり、飲食店でぎこちないながらも懸命に接客をしている姿を見かけたりと、社会に出たばかりの人たちの頑張ってる感が街の中からもうかがえます。
すでに社会人となって28年目を迎える私にも、新入社員の頃がありました。当時はバブル景気がまだ残っていたころ。同期も100人以上いた記憶があります。私が入社した日本ケンタッキー・フライド・チキン(株)では、最初にオペレーションマニュアルや会社のルールを座学で学んだあと、店舗実習が始まります。その時の自分の「やってやるぞー!」という気持ちを思い出したので、今日はそのお話を。
私は大阪のとある店舗に配属されました。店舗実習の最初の1週間は、自分がオペレーション(チキンの調理などの作業)ができるようになることに時間を割きます。もちろん1週間で完璧にできるようにはならないので、やり方を学んだら、あとは自分で折を見ては練習することを繰り返しますが、その1週間が過ぎたときに店長から言われました。
「森くん、もう1週間たったから、アルバイトにも遠慮せず指示出していいよ。」
よし! と思いましたが、何を指示していいのやらわかりません。でも、暇なときにおしゃべりをしているアルバイトを見ては、「なんとかしないとな」と思っていました。
自分でもできることで、やればお店のプラスになることとは? としばし考え、「掃除だ!」とひらめきました。でも、新入社員の言うことなんか聞いてくれるかな……。一抹の不安を感じながら、私はアルバイトに話しかけました。
「あんたたちゃ、そのホウキば持って、外ば掃いてきてくれんかね」
するとアルバイトたちは大爆笑。私が九州なまりで話したのがおかしかったようです。
でも、こっちは本気。湯気が出るくらい怒って同じ言葉を繰り返します。
「もう一回言うよ。そのホウキば持って、外ば掃いてきてくれんかね。」
はい、今度はきちんと言ったことに従って、掃除をしに行ってくれました。
同じ言葉でも、こうも反応が変わるのか……。
その時悟ったのは、アルバイトに向き合って話をするときには、最初から一点の迷いもない気持ちで話をしないといけないということです。
街の新入社員を見ると、いつもその時のことを思い出してしまいます。
私はその後、新入社員を自分が指導する際には、「相手に必要以上に合わせるのではなく、自分が信念をもって伝える」ことの大切さを必ず教えていました。こちらが不安を持って話しかける言葉は、相手にそれが伝わってしまいます。最初はうまくできなくても、それを繰り返すことで、自信をつけていってほしいですね。
みなさんも、こんな時期何してたんだろう? どんな気持ちだったかな? と時には振り返ってみてはいかがですか?
あなたの新入社員の頃の思い出はなんですか?